- 不要な消火器を処分したいけど、一般ごみや粗大ごみで処分できるの?
- 消火器を処分する際の費用がいくらかかるのか知りたい
緊急時に役に立つ消火器ですが、使用期限が切れたり、腐食や損傷した場合の処分方法をご存じでしょうか。中には消火器の適切な処分方法がわからず、お困りの方もいるかと思います。
この記事では、消火器の処分方法をわかりやすく解説いたします。さらに、消火器の処分時における注意点や、回収にかかる費用も合わせてご紹介します。消火器の処分にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
消火器の処分時に確認すべきこと
消火器の処分には、専門的な知識や設備が必要になります。そのため、2005年から自治体での回収ができなくなり、リサイクル回収が義務化されました。適切な方法で処分をしないと、不法投棄や重大な事故につながる可能性があるので以下の3点を押さえておきましょう。
ココに注意
- 一般ごみや粗大ごみとして処分ができない
- スプレー式消火具や、海外製の消火器はリサイクルの対象外
- 使用期限の切れている消火器の扱いには注意する
- 腐食が進んでいる消火器の解体や放射は絶対しない
一般ごみや粗大ごみとして処分できない
消火器の処分は「廃消火器リサイクルシステム」によって適切な方法で処分をする必要があります。そのため、自治体の一般ごみや粗大ごみとして処分ができません。
後ほど詳しく触れますが、一般的には特定窓口で回収する方法や、指定引取場所に持ち込んで処分する方法などがあります。
スプレー式消火具や、海外製の消火器はリサイクル回収ができない
消火器はリサイクル促進が義務化されていますが、スプレー式消火具や海外製の消火器は、リサイクル回収の対象外です。
スプレー式消火具は、そもそも消火器ではないため、自治体の処分方法に従って処分する必要があります。
使用期限の切れている消火器の扱いには注意する
消化器には、使用期限があり、一般的には、家庭用の消火器が5年、業務用の消火器なら10年と定められています。
もし、お持ちの消火器の使用期限が切れている場合、破裂してケガをする恐れがあります。特定窓口や指定引取場所などで、早めに処分しましょう。
腐食が進んでいる消火器の解体や放射は絶対しない
腐食が進んでいる消火器を解体・放射するのは危険ですので絶対にやめましょう。
操作したことにより、破裂して、ケガや死亡する事故が発生しています。
早急に消火器メーカー、消火器販売店などの専門業者へ処分の相談をしましょう。
消火器のリサイクルシールとは
2010年以降に製造された全ての消火器には、リサイクルを促進するために「リサイクルシール」が貼られています。消火器を購入する際に、事前に処理費用を支払うことで、リサイクル費用に充てることを目的としています。
処分を検討している消火器にリサイクルシールが貼られていない場合、リサイクルシールの購入が必要です。また、値段はオープン価格のため販売店ごとで異なるので、購入されるお店で確認をとりましょう。
リサイクルシールは特定窓口、指定引取場所、または消化器リサイクル推進センターでお買い求めができます。
消化器の処分方法・回収にかかる費用
消火器の処分方法は、以下の5通りあります。
- 特定窓口で回収してもらい処分する
- 指定取引所で処分する
- 消化器メーカーの回収センターで引き取ってもらう
- ホームセンターで引き取ってもらう
- 不用品回収業者に回収してもらい処分する
大きく分けると、持ち込みで処分する方法、郵送で処分する方法、業者に依頼して処分する方法があります。処分方法によって回収にかかる費用も異なるので、都合の良い方法を選択していきましょう。
特定窓口で回収してもらい処分する
特定窓口とは、日本消火器工業会が指定した場所で、全国に約5200カ所設置されています。もし、近所に特定窓口がある場合は、引取りか持ち込みで処分が可能です。「防災・防犯事業者」や「販売代理店」などが指定されていますが、一部の窓口では、引取りできない所もあるので事前に確認をしましょう。
特定窓口は、消化器リサイクル推進センターの「特定窓口検索」で探すことができます。
回収にかかる費用は2,000円〜3,000円程度です。
別途、消化器の保管代金、リサイクルシールの購入費、引取りの場合は運搬費が必要です。
指定引取場所で処分する
指定引取場所に直接持ち込むことで処分が可能です。消火器の重量が3kgを超えていてゆうパックでの送付ができなかった方にも有効な方法です。日本消化器工業会が指定した場所で、全国に約200カ所もの受付場所があります。主に「消化器メーカー(初田製作所)の営業所」や「廃棄物処理業者」などのことを指します。
最寄りの指定引取場所は、消化器リサイクル推進センターの「指定引取場所検索」で検索が可能です。
回収にかかる費用は、2000円〜3000円程度です。
別途、処分時にリサイクルシールが必要ですが、リサイクルシールの取り扱いをしていない場所もあります。
処分を検討している場所においてリサイクルシールの取り扱いがあるか事前にチェックしておきましょう。
消火器メーカーの回収センターで引き取ってもらう
特定窓口や指定引取場所が近くにない場合、消火器メーカーの回収センターで引き取ってもらうのも有効な方法です。消火器の製造会社「初田製作所」の回収センターでは、家庭用の消火器に限り、消火器の回収を実施しています。
引取り回収の場合、電話で申し込む方法とインターネットから申し込む方法の2通りがあります。
- インターネット エコリサイクルセンターホームページから申し込む
- 電話 0120-822-306 受付時間10:00〜12:00、13:00〜17:00(土、日、祝日 定休日を除く)
申し込みの手順と流れ
- 回収の申し込み
- ゆうパック伝票などが自宅に届く
- ゆうパックの引取り回収をしてもらうか、郵便局へ持ち込む
- 消化器が回収センターに届く
薬剤量が3kg以下であれば、回収費用は税込6,270円で処分ができます。また、リサイクルシールは不要です。
ただし、薬剤量が3kgを超える消火器はゆうパックでの回収ができません。
上記の場合、特定窓口や指定引取場所での処分など、別の手段を検討する必要があります。
ホームセンターで引き取ってもらう
消火器を新しく買い替えるうえで、古い消火器の処分を検討している場合、ホームセンターで引き取ってもらう方法が有効です。買い替えと同時に、古い消火器を無料で引き取ってくれるところもあるため、積極的に利用すると良いでしょう。
消火器が腐食しているなど状態が悪い場合、引取りできないケースもあるので、あらかじめ店舗の方に伝えておくとスムーズに処分ができます。
具体的には、以下のホームセンターなどが消火器の回収を行っています。
ホームセンター
- カインズ
- コメリ
- DCM
- コーナン
不用品回収業者に回収してもらい処分する
自力での処分が難しい方・消火器以外にも処分したいものがある場合は、不用品回収業者に依頼するのが良いでしょう。
悪質な業者が中には存在するので、見極めは必要ですが、消火器以外にも処分したいものをまとめて処分ができ、業者が回収から処分まで全て手配してくれるので、手間をかけずに処分ができます。
不用品回収業者で処分する場合は、リサイクルシールの購入は不要で、処分の依頼が可能です。費用は、2000円〜3000円+別途料金がかかりますが、業者などによって金額差があるので、追加料金など確認しておくと安心です。
まとめ
消火器は、頻繁に処分をするものでもないため、処分の方法に頭を抱える方も多くいらっしゃるかと存じます。ですが、お伝えした処分方法の特徴を踏まえながら、個々の状況に合わせた手段を選ぶことがとても重要です。
リサイクルシールが必要なのか不要なのか、消火器を持ち込むまでの手間や、回収にかかる費用などを総合的に考えることで効率的な処分ができます。腐食が激しい消火器の処分は、安全第一を考え、消火器メーカーや消火器販売の専門業者などに問い合わせてから適切な処分を行いましょう。