自動車は日常生活の中で欠かせない存在です。
しかしながら、自動車は精密機械であり、その中でも特に自動車の核でもあるバッテリーは非常に重要です。
今回はそんなバッテリーについて解説していきますので、ご参考になれば幸いです。
目次
車のバッテリーを処分する前に知っておきたいこと
車のバッテリーは、鉛や酸を含む危険な物質が含まれているため、適切に処分する必要があります。
バッテリーを処分するタイミング
車のバッテリーは、一般的に2年から5年程度で寿命が来るものとされています。
しかし、実際には使用状況や環境によっても異なります。
バッテリーが劣化している場合、以下のような症状が現れることがあります。
症状
- エンジン始動が遅くなる
- エンジンが始動しない
- ヘッドライトが暗くなる
これらの症状がある場合は、バッテリーが劣化している可能性が高いため、早めに交換することをおすすめします。
また、定期的にバッテリーの状態をチェックすることも重要です。多くの自動車メーカーが、バッテリーの状態をチェックするための診断機能を搭載した車両を販売しています。
また、バッテリーチェッカーと呼ばれる機器を利用することで、バッテリーの状態を簡単に確認することができます。バッテリーの状態が不安定な場合は、交換することを検討してください。
車のバッテリーの処分方法
車のバッテリーは、粗大ごみとして処理することはできません。
車のバッテリーには有害物質である鉛や酸が含まれており、不適切に処理すると環境汚染や健康被害などのリスクがあるからです。
そのため、車のバッテリーを処分する際には、適切な方法を選ぶ必要があります。
以下は、車のバッテリーを処分する方法の一例です。
1.自動車部品店やバッテリー専門店に持ち込む
自動車部品店やバッテリー専門店では、バッテリーを処理してくれる場合があります。処理方法は店舗によって異なりますが、大抵は専門の業者に委託されることが多いです。
2.指定された廃棄物処理センターに持ち込む
自治体が指定する廃棄物処理センターに持ち込むこともできます。
自治体によっては、回収や処理に関するルールが設けられている場合があるので、自治体のホームページなどで情報を確認し、指示に従って処理することが大切です。
3.リサイクル業者に売却する
バッテリーは、鉛が含まれているため、リサイクル業者に売却することができます。
リサイクル業者では、バッテリーから鉛を回収し再利用することができます。
いずれの方法を選んでも、バッテリーを処分する前に端子をしっかりと外して、漏れないように慎重に扱うことが重要です。自治体の指示に従って、適切な処理を行うようにしましょう。
車のバッテリーは適正処理困難物
「適正処理困難物」とは、環境に悪影響を与える可能性がある廃棄物のうち、自治体の指示に従って正しい方法で処理しなければならない物のことを指します。一般的に、特定の化学物質を含む廃棄物、例えば有害物質や放射性物質を含む物、電池、蛍光灯などが「適正処理困難物」とされています。
自治体によって定められた指示に従って、適切な方法で処理する必要があります。
適正な処理が行われない場合、環境汚染や健康被害などの深刻な問題が引き起こされる可能性があるため、正しい方法で処理することが重要です。車のバッテリーが「適正処理困難物」として指定される場合は、その自治体の指示に従って正しい方法で処理しなければなりません。
以下に具体例をいくつか挙げます。
鉛蓄電池
車のバッテリーの中には鉛蓄電池があります。
鉛蓄電池は、鉛と酸が含まれており不適切な処理方法によっては環境汚染や健康被害を引き起こす可能性があります。
自治体によっては、鉛蓄電池を「適正処理困難物」として指定している場合があります。
この場合は、自治体が指示する専門の業者に委託して、適切に処理する必要があります。
リチウムイオン電池
近年では、車のバッテリーとしてリチウムイオン電池が使用されることが増えています。
リチウムイオン電池は、不適切な処理方法によって火災や爆発の危険があるため、自治体によっては「適正処理困難物」として指定している場合があります。
この場合も、自治体が指示する専門の業者に委託して適切に処理する必要があります。
ニッケル水素電池
一部の車には、ニッケル水素電池が使用されています。
ニッケル水素電池は、ニッケルと水素が含まれており不適切な処理方法によっては、環境汚染や健康被害を引き起こす可能性があります。
自治体によっては、ニッケル水素電池を「適正処理困難物」として指定している場合があります。この場合も、自治体が指示する専門の業者に委託して適切に処理する必要があります。
バッテリー処分方法の詳細
以下の項目では、バッテリー処分の詳細について解説します。
車のバッテリーを自動車部品店やバッテリー専門店に持ち込む
自動車部品店やバッテリー専門店に車のバッテリーを持ち込む場合、以下のような手順が一般的です。
1.受付
店舗に到着したら店員にバッテリーの処理を依頼します。
店員はバッテリーが受け入れ可能かどうかの判断や、処理にかかる料金や手続きなどを説明してくれます。
2.バッテリーの確認
バッテリーの状態を確認して処理が可能かどうか判断します。
特に、漏れているかや破損しているかなど、危険な状態の場合は処理を受け付けてくれない場合があります。
3.受け取り
処理を受け付ける場合、店員にバッテリーを渡し、処理手続きを行います。
店舗によっては、受け取り時に手数料を請求する場合があります。
また、処理証明書を発行してもらう場合もあります。
4.処理方法
処理方法は店舗によって異なりますが、専用の設備を使って再生・リサイクルする方法が採られることが多いです。
再生された鉛などは再利用され、廃棄物は適切に処理されます。
車のバッテリーを処理する際には、自治体が設置するリサイクルセンターや回収イベントもあります。
また、一部の自治体では、家庭から出る小型家電などを一緒に回収してくれる「産業廃棄物中間処理業者」を利用することもできます。
車のバッテリーを指定された廃棄物処理センターに持ち込む
車のバッテリーを指定された廃棄物処理センターに持ち込んで処理する場合は、自治体が定める手順に従う必要があります。
一般的な手順は以下の通りです。
1.調べる
自治体のウェブサイトやお問い合わせ窓口などで、指定された廃棄物処理センターの場所や受け入れ時間、受け入れ規定などを確認します。
2.梱包
車のバッテリーは、特定の袋や容器に梱包する必要がある場合があります。
自治体によっては、市販の袋を使用するよう指示している場合もありますので、事前に確認しましょう。
3.持ち込み
指定された廃棄物処理センターにバッテリーを持ち込みます。
持ち込み時には、身分証明書や車検証などを求められる場合があります。
4.処理手続き
バッテリーを受け取った処理センターでは、処理方法に従ってリサイクルや廃棄物処理を行います。処理が完了した場合、処理済みのバッテリーについて処理証明書を発行してもらうことができます。
自治体によっては無料で処理を受け付けている場合もありますが、有料の場合もあります。また、処理に必要な手数料や梱包費用なども自治体によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
リサイクル業者に売却する
車のバッテリーをリサイクル業者に売却する場合は、以下のような手順があります。
1.リサイクル業者の選定
自分の住所周辺にあるリサイクル業者をインターネット検索や地域情報誌などを使って探します。
また、自治体が推奨するリサイクル業者もあるため、自治体のウェブサイトやお問い合わせ窓口などでも情報を確認することができます。
2.査定
リサイクル業者に連絡をし、車のバッテリーを売却したい旨を伝えます。
その後、バッテリーの状態や型式などを確認され、査定額が提示されます。
3.契約
査定額に納得し売却する旨をリサイクル業者に伝えます。
その後、買取契約書などの書類を取り交わし、バッテリーをリサイクル業者に引き取ってもらいます。
4.支払い
バッテリーを引き取ってもらった後、リサイクル業者から査定額を支払ってもらいます。
支払い方法については現金や振込などがあります。
5.リサイクル
リサイクル業者では、引き取ったバッテリーを解体してリサイクルすることが一般的です。具体的には、鉛とプラスチックを分解・粉砕し、新たなバッテリーの材料として再利用することができます。
なお、リサイクル業者によって買取額や引き取り条件などが異なるため、事前に複数の業者に問い合わせることをおすすめします。
また、車のバッテリーは危険物とされるため、売却前に自治体やリサイクル業者の規定に従い梱包する必要があります。
まとめ
車のバッテリーは、使用済みになった場合は適切な処理が必要です。
一般家庭での処分は自治体のルールに従い、粗大ごみとして出すことができますが、適正処理が困難な物として指定されている場合は専門の業者に処理を依頼する必要があります。自動車部品店やバッテリー専門店に持ち込んで処理したり、をリサイクル業者に売却することもできます。
リサイクル業者では、バッテリー内部に含まれる鉛や酸を再利用することで、環境に負荷をかけずに再生させることができます。いずれの場合も、正しく処理を行うことで環境に貢献し、法令遵守にも繋がります。